スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

グループ魂 納涼ゆかた祭り、ZEPPなんばライブ!

8月21日に、ZEPPなんばにて「グループ魂ライブ/~20年いうてもこんなもんちゃいます?いうてもin大阪~ 」に行ってきました。
「あまちゃん」震災回から2年、とうとうここまで来ました。

http://www.g-tamashii.com/

「グループ魂」はあまちゃん当時に動画でみるまで現役の俳優さん達がやっているバンドだとも知らなかったのでした。
今時の若者がやってるヒップホップとかのバンド??と思い込んでいて。
更に紅白の「きみにジュースを買ってあげる♡」でして、歌詞だけ読んで「おい!酷い内容だな!」と怒っていました。・・色々な理由で知る方がいると思うのですが、あまちゃんに感謝です。

ライブというより「コンサート」と呼ぶ世代でオールスタンディングだったですが無事に帰ってきました。浴衣着ている人も多かったです。


破壊さん、圧倒的なエネルギーです。
放射するエネルギーが華に見える人。
スリッパを投げるタイミングも、心をさっと掴んでくるし、目が離せない。
それでいて、まだ余力がある感じが凄まじいなあ。
ライブも公録も上へ下へと愛嬌振りまいて、エネルギーでパンパンな感じ。


暴動さん、ほんとに楽しそうにギター弾くねえ!
ニコニコ笑ったり、眉をキュッとひそめたり、ギターの世界に浸っているのが伝わりました。裾のスタッフさんへの指示も手早く楽しそうでした。
次の日のラジオの公録も常に「宮藤さん」だったのですが、(紅白の審査員席でも映画撮影現場でもああいう感じかな。でもよく笑っていて素敵でしたよ)暴動さんは別の人格が宿っている気がします。最後のモノトーンのお衣裳にヒョッとなりました。
ガリガリさんかなあと思ってたのですがスラッとしてます。

カヲルさん、大きな目で何度か目があった気がします。
博愛主義のアイドルでした。

バイト君。確かいじられ役かと思っていたのですが、中の人の村杉さんのご結婚と言うおめでたもあり、リスペクトキャラに上昇されていたような・・。
ご結婚おめでとうソング「村杉友一」をカンペノートを前に勇ましく歌ったバイト君を、破壊さんが猫耳オンで凄く怖い顔で見守っていたのが忘れられません。

石鹸さん、中の人は朝ドラに出演の合間を縫ってのドラマー仕事。
ツアーでは一番忙しい人だったのかも。寸劇も面白い役で、涼子可愛かった!
カオルさんのセクハラに耐えている姿がいたいけすぎる。
そこに王子様のロフトの店員破壊さんが現れなるなんて脚本の宮藤さん優しいです。
自分は涼子さんと同い年なのでじんわり響きました。

遅刻さんと小園さん、残念なことに立ち場所がカオルさんのお腹&暴動さんの前でしたので、じっくり演奏を見ることができませんでした・・。ライブ盤がでたら熱く観ます!

遅刻さん、立ち位置の為じっくりと見ることはできなかったのですが、華のあるギターでした。

小園さん、後ろからガッチリ占めている感じ。「できる男」の雰囲気を醸す人ですね。

後から聞くと、こちらがわはお子様連れママさんチームとか私のようなお一人様が多かったですが、破壊さん&遅刻さん小園さん側は、後から聞くと、破壊さんが煽りまくるためかモッシュすごかったらしいです。

破壊さんこちらにものっしのっしとやってきて、高速で腰を振ってくれました。
なんだろこの人!
バイト君もずれたズボンを直してくれました。
「練習しない曲をやってみよう!」コーナーで「沖縄行きたい」タイミングあわせのギターから、石鹸さんのドラムがドコドコと加わっていく辺りゾクゾクしました。

昨日で日比谷の野音にてツアー終了、魂の皆さんはそれぞれの道に戻っていかれますが、また来年でも帰ってきてくれないかなあ。また来てね!
スポンサーサイト

岩松了さんの「結びの庭」

前回の記事執筆はもう一年以上前!
長らく席を空けておりました。
この一年、仕事したり農作業したり今度は坂道でこけて病院のお世話になったりしていました。

先月から今月にかけて、森崎事務所「結びの庭」松江公演を観劇しました。
遠征と言う言葉もそぐわない位とっても近い場所の公演です。近すぎて次の日始発出勤になりましたが、長く舞台ファンやってるとこういう事もあるものだなあとしみじみしています。

岩松了さん、実は苦手な部類の演出家さんでした。
映像で作品拝見したのですが、透明感や俳優さんの美しさは伝わったものの、どーにも「わからない」世界でした。

そんな岩松了さんが脚本演出、出演までされる舞台を、なんどか映画で拝見していた女優の麻生久美子さんと、朝の連続テレビ小説の「あまちゃん」の脚本等手がけられている、宮藤官九郎さん主演で観に行くことになるとは、「こういう事もあるものか」としか言えなかったです。このメンバーが中国山脈超えられるとは思ってみなかった、。

さてさて舞台。
木々の生い茂る庭と、美しい邸宅。新進気鋭の弁護士と、美しい妻。
2人はまだ結婚して1年で、お互いに愛し合っている。

恋は激しくていい加減で人を馬鹿にさせ、白いものを黒いものに変えます。
でも結婚生活を営むには、別種の努力が必要になります。
2人の生活を継続するためには、夫と妻、「家庭」という役割を演じる面もあるのでないでしょうか。

弁護士でもある夫ー水島慎一郎は、まだ愛する女との恋を成就させた喜びに酔っている。
経団連会長の令嬢でもあった妻ー瞳子は、妻としての座を守り、理想の家庭を作り上げようとする。

麻生久美子さん。美しいです。
凄く作りこんでおられるなあと感じたのですが、その造作は、女優としての麻生さんの佇まいにもつながる気がしました。

(しかしいつでも、同性の心をぞわぞわっとさせる役柄を演じられている方です)

家政婦の丸尾さん役の安藤玉恵さん。
善良で、瞳子にどれだけ高慢な態度を取られても笑顔でいなす女性。
それは、彼女が「理想的な家政婦」という役割を勤める為なのですね。
純粋でいじらしい故に、無意識に物語を引っ掻き回すトリックスターになっていました。

水島の秘書・近藤役の太賀さん。
若くて、純粋で鋭敏ゆえに、力強い味方にも、不穏な場の展開に真っ先に影響を受ける羽目にもなる。
全てが100%。存在感も柔軟性もある役者さんでした。
まだ若い俳優さんですが、地に足をつけた印象を受けました。
どら焼きもしゃあと食べる姿も見たい。

平穏な暮らしに突如入り込んだ訪問者・末次には岩松了さん。
キュートでした。最初観た時は「プーさんみたいだな」。
豊かな声量に、なんとも愛嬌のある雰囲気です。悪意は全く感じなかったんですね。
そして覗く重厚さ。素敵な俳優さんでした!
岩松さんが様々な役で、映画ドラマに姿を見せる理由が分かった気がします。

水島慎一郎役の宮藤官九郎さん。
不思議な俳優さんです。
反射と感応から役を作り上げる俳優さんを目の当たりにしたのは初めてです。
個性は強い人だと思います。ひょろっとしてたりとか、猫背だとか、ちょっと癖のある声の響きとか。
でも、それ以外に背負うものは無に近い。麻生さんとは好対照ですね。

多分相手の言葉に反応する感覚が人より極めて早いのではないかと思う。
舞台を、「物語」ではなく「その状況に置かれた人の時間の経過」として捉えられているのではないかなあと、感じます。
宮藤官九郎から始まり、水島慎一郎で終わりました。

特に笑わせようする場面でもないのに客席から笑いが出ていました。
シーツをずるずる引きずっていたり(かわいい)、言葉を繰り返したり。
水島としての演技に、客席の人も感応したのでしょうか。
一生懸命に迷う姿は哀愁があり、時として滑稽に見えるのかも。

俳優さんの口を通すことで、流れるように美しく響く台詞も忘れがたかったです。
時間の経過と共に変わっていく照明も、常に存在を主張している庭も、とても美しかったです。

明確ではない終わり方で、終演後は「?」マークの顔の方も居たのですが、上品で美しい舞台だったように思います。
舞台の上に出る人の行動には濁りも私欲もなく、自分の誇りと相手を思う心が際どいバランスを取っていました。

水島夫妻は、これからも額縁の中に描かれた夫婦のように、清涼で美しい2人として生きていくのでしょう。
生まれも育ちも違う人間同士が結ばれて生きていくにはどうすればよいのか。
役割を勤める事、後ろ暗くても何らかを共有すること、岩松さんの出した答えの一端一端を見せてもらった気がしました。

「ヴィクトリアン・ジャズ」宝塚歌劇花組バウホール公演~流れ星と恒星

11月20日、宝塚歌劇バウホールにて、望海風斗さん主演の「ヴィクトリアン・ジャズ」を観劇しました。
宝塚専属演出家・田淵大輔さんのデビュー作品です。

舞台はヴィクトリア朝の繁栄を誇るイギリスは倫敦。主人公はしがない奇術師のナイジェル・カニンガム。演ずるは第89期生・望海風斗さん。
軽快で明るいムードに引き込まれ、終始ニコニコしてしまった作品でした。
最初から終わりまで、劇場内に笑い声が響いていました。

私はコナン・ドイル作のシャーロック・ホームズが子供のころから大好きでした。シャーロッキアンと呼ばれるファンの方が著された研究書も読み漁っていた時期があり、ホームズの時代~ヴィクトリア朝ロンドンに対する憧れは強いです。(森薫さんの漫画「エマ」もお勧め。)
いつか宝塚でホームズ物を観たい観たいと願っていたのですが、今回はヴィクトリア時代の奇術師が主人公。これはぜひバウに走らなければ!と心が馳せていました。

・・しかし、今現在のヴィクトリア時代の印象は「経済は発展したけど、表向きにはわりと地味な時代」。
質素倹約を大切にする女王の精神により、あくまでも建前は保守的な時代。特に紳士の服装は黒かグレイが多く、派手だったり冒険的なファッションは少ない印象です。宝塚歌劇の舞台にするには、やや大人しい時代です。一体田淵先生はどう料理されるのだろう、と期待と不安の気持ちも持っておりました。

あらすじ

巨大金庫を使った脱出王を名乗る奇術師・ナイジェル・カニンガムは、商売道具の金庫を借金のかたにオークションに売り出され、今危機に陥っていた。
同じころ、「英国心霊主義協会」という団体が、降霊術師を募集していた。
ナイジェルの得意とするのは、脱出術の他にもう一つ・・本人も見落す外見上の特徴から、数時間前の行動や癖、家族の様子まで言い当てる観察力。
その眼力を生かした「奇術」で協会に入り込めないかと考えたナイジェルは、降霊術師を名乗り「心霊主義協会」の面々を騙すことにする。
思惑はまんまと成功。ナイジェルは凄腕の降霊術師として協会に認められ、特に顧問を務める医師コナン・ドイルはひどく感激するのであった。
協会に持ち上げられ名を高めたナイジェル。そんなある日治世者ヴィクトリア女王の招待状が届く。
なんと女王は、既に故人となっているアルバート公と降霊術を使い話したいというのだ。ドイルと共に女王に謁見したナイジェルは、女王が本当は降霊術を信じておらず、別のある依頼のために自分を召喚したのだと知る。
公務を休んでいる女王のもとに、死んだはずのアルバート公の手紙が届いていたのだ。内容は一端頓挫した、英国と大陸間鉄道の建設を勧めるもの。
いまになって、政治的な内容の怪文書を送ったのは誰なのか。皇太子に議会にと、なりゆきで自らの首の無事もかけた、ナイジェルの調査が始まった。


ぴんと来た方もいるかもしれないのですが、もろに「奇術」はシャーロック・ホームズの推理術!ヴィクトリア女王はまるで007のMのような存在感。

昔大好きだった偕成社のシャーロック・ホームズシリーズや宮崎駿監督の名探偵ホームズも連想しました。どちらもホームズが明るいお兄さんなのですよね。

テンポよく、まさかの豪快なドンでん返しもあり、ちょっと「あなたの知らない世界」も関わって。歴史と絡んで魅力的な人物も一杯。一幕の終わりはまさか議会でそれするか~!と心が沸き立ちました。


ナイジェルさんの望海風斗さん。全国ツアーでも強く印象に残った、演技良し歌良し、コメディも良しの魅力ある実力派の方です。今回はそよ風のように軽やかなお兄さんでした。マントが良く似合います。
最初は翻弄されながら、国会議事堂での大舞台をこなす。愛すべき性格の人物だったと思います。歌はジャズがメインであり、歌うのが難しそうな曲ばかり。見て聞いて、破たんの全くない主演ぶりでした。

コナン・ドイル役の鳳真由さん。感激屋でドジなコナン・ドイルを見ていてどこか懐かしいなと思っていたら、一昔前のワトソン君でした。
外見はハンサムですが、明るくて一途で可愛らしかったです。ナイジェルと、まるで子供同士のように誤解して喧嘩して仲直りするコンビぶりが微笑ましかったです。

ヒロインのサラ・ウォルターズは桜咲彩花さん。眼鏡っこヒロインです。
前向きで情熱的なヒロインで、コメディエンヌ的な場面もありましたが、度を越さず可愛らしさや品はそのままでした。ナイジェルとの恋愛はスタート地点という感じです。

鍵を握る女優のアリス・ケぺルは仙名彩世さんは野心家。こちらも可愛い感じでしたが、野心や野望は持っているわ!と歌い切る場面もあって素晴らしかったです。

花組は娘さんが輝いている印象がありましたが、今回も三者三様のヒロインの花が咲いていました。

物語の中核に坐するヴィクトリア女王は桜一花さん。素晴らしかった・・。
バッスルの入った喪服のドレス姿も美しく、豊かな時代の治世者としての強さ、微かに見える迷いや脆さ、大きな子供を持っていながらも失われない女性的な感覚も感じられて、アルバート公と深く愛し合っていたのだなあと想像させられました。

全国ツアー「長い春の果てに」のナタリー役も美しさも繊細さもある女役の演技で({ファントム」のカルロッタも華麗でパワフルな悪役でした!)目が離せない方だなあと思います。小柄な娘役さんだけど、そのなかに娘役としての技術や細やかな心情を持たれている方ではないかと。次の「オーシャンズ11」も目が離せないです。

中心に揺るがず存在する恒星は女王、流れ星のごとく動き回るのはナイジェルだったのではないでしょうか。

息子のエドワード皇太子は柚香光さん。柚カレーという愛称でも愛されている方のようですが、キラキラしていましたね。エドワードは、正直何の苦も無く無邪気に育ったまま大人になってしまった王子様。口髭は生やしているものの大きな子供。きつい言い方ではバカ殿様(大汗)でも、本当に立ち姿は美しく、軍服姿で幼い口調というギャップも許されました。
やがて、ヴィクトリア女王とエドワードは、対立しながらも同じ心情を分かち合う母子なのだなあとわかります。

降霊術というオカルトが政治の場で取り扱われてしまう所、イギリスと大陸間のトンネル建築という世情、細かいところではケペルの犯罪など、あの時代の雰囲気をよく取り扱われていたなあと思います。かといってマニアックに偏らず、誰でも楽しめる娯楽作として充分な出来でした。

ですが、ちょっと小姑的ですがお衣裳の所では少し注意したかったかな。時代に忠実な衣オリジナルの装作りなど難しいと思うのですが、幾らフリーダムな奇術師とはいえ、吊るしの普段着そのままで女王の謁見はありえないと思いますよ。皇太子に会う次の場面でちゃんと正装してきたのですから、一場面早くしても良かったのではないかなあ。
また、十二分に堪能してしまったのですが、あまりに周りの人物が個性が強く魅力的だったためか、軽やかなナイジェルが媒介者の役割になってしまった面もある気がします。望海さんの弾けぶりには今後に期待かな。
今後は「ナイジェル・カニンガムの思い出」とか、シリーズものにしていいかも^^

観劇日は撮影機材が入っていました。ヴィクトリア時代が好きな人にも、こっそりシャーロッキアンにも見て頂きたい作品ですから、番組やDVD化してほしいなあと思います。
最後のショー場面は男役さんは黒のスーツ・娘役さんは黒のドレス。短い場面でしたが、娘役さんの裾捌きの美しさにまた酔いました。技術力の高さも花組は印象に残ります。宝塚の中で一番歴史が古い組として、継承され続けていく心根があるのかもしれません。

笑顔が絶えない作品で、面白かったです!本日は千秋楽ですね。花組生&田淵先生、スタッフの皆さま、お疲れ様でした!客席が自然と笑顔になってしまう作品を有難うございました。

旅立ちの時 涼紫央さん・卒業 

 本日、宝塚歌劇・星組・男役82期 涼紫央さん(愛称・とよこさん)が卒業されました。
 桜の季節の発表から、本当にあっという間でした。
 今は空に満天の星の季節です。
 日中は酷暑に空を見上げる気力もないのですが、夜が訪れると、星々が一面に輝いています。

 タカラヅカスカイステージ(宝塚歌劇専門の衛星放送です)の番組で、たびたび如来様のような良い笑顔をされているのを見、今忙しい中でも充実した日々を過ごされているのだ、と嬉しく感じていました。
 とよこさんの周りにも、たくさん笑顔がありましたね。

 宝塚が少女時代から本当に好きで、ファン活動もされた後に入団したとよこさん、ある面で私たちファンから発展していかれた方かもしれません。宝塚歌劇を見る時の幸福感、歌劇の放つ瑞々しさへの視線を、今でも知っておられるのだと感じていました。

 私に引き寄せると、宝塚ファン前期の頃の思い出が、今でも自分を支える柱になっています。
 外見も内面とも自分を磨こうとする人が一杯で、多種多様な人が集う世界、間に、血流のようにして繋がるのは、ピュアな位の愛情のドラマ。それまで触れたことのない世界でした。すべてが肯定で終わる世界に見え、否定多めで育った人間には、とても美しく見えました。

 とよこさんの笑顔や、組子さんへの一生懸命な視線は、宝塚という芸術への愛情から生まれているのでしょう。
 古き良きスタイルの男役というのを体現されている方でした。 
 力強さ、新鮮さ、目立つ癖だけではない、品格やぬくもりある魅力。

 長らく続く男役さんの品格は、数少ない観劇歴では、涼さん含む82期の男役さんが、個性それぞれに体現されている気がしました。
 次の世代は、また異なる生徒さんのスタイルになっていくかもしれません。
 
 ですが、とよこさんが伝えられた、「宝塚は素晴らしい世界」ということを、受け止める下級生さんが多くおられることを願うばかりです。古き良き男役・娘役は文化ですから、時代の変遷の影響も受けると思いますが、いまのいる世界への愛情は、17年前でも、未来でも知っていかれると思うから。

 涼紫央さん・・とよこさん、お疲れ様でした!
 この旅立ちの日が、とよこさんにとって、新しい、輝ける世界への旅立ちになるでしょう。
 流れ星は広い宇宙の旅に出かけていくのです。
 
 この曲をとよこさんに贈ります。
 長野パラリンピックのテーマ曲で、1997年長野パラリンピックで発表された曲です。
 久石譲さん作曲、宮沢和史さん唄の「旅立ちの時」です。

大きな流れの中に 宝塚歌劇星組公演「ダンサ・セレナータ/cerebriy」

5月26日に、星組「ダンサ・セレナータ/cerebriy」を観にいきました。
涼紫央さん、白華れみさん、碧海りまさんも、南風里名ちゃん、稀鳥まりやさん、ひなたの花梨ちゃんなど、多くのスターさんの卒業公演であります。

平日一回公演の観劇でしたが、観客席は曜日は関係のない賑やかさで、星組の皆さんは代わらない高い熱度の演技をされていました。ああ、だから宝塚、好きだなあと思います。

「ダンサ・セレナータ」の脚本・演出担当の正塚晴彦先生は、ハードボイルド的世界で、ロマンに走らず自然体の男性像を描く作家さんとして評論家からもファンの間でも一定の評価があった方でした。一時期は「正塚主義」みたいな流れがありましたね。
月組トップスター・久世星佳さんとのコンビが有名でしたね。ビデオで何度も正塚作品は見たのですが、実際に観劇した雪組のトップコンビ・絵麻緒ゆうさん&紺野まひるちゃんの一回きりの公演「追憶のバルセロナ」が印象に残っています。

今回は久々の観劇でした。
海外の短篇小説か単館上映の洋画みたいな印象を受けました。


宗主国と植民地、二つの国があり、宗主国の経済は植民地の産業に依存している。植民地が独立なぞされたら、宗主国は不況に陥り、金持ちは逃げ、文化芸術を楽しむ余裕は失われてしまう。二つの国は争い、秘密警察は、植民地の反乱を断つために暗躍を続けていた。

そして、その宗主国のクラブ「ルア・アズール」のトップスター イサアク・バルトロウと植民地出の娘、モニカが物語の中心です。


正塚先生は男同士の友情のほうに重みをおかれている印象がありますが、イサアクとモニカは純粋な「恋愛」そのものが際立っていた気がします。

男女2人が縁があって出会い、さまざまな出来事があり、仲を深めていって、お互いに好きかもしれない…と思いはじめる頃。恋愛の一番ワクワクする時期の話だなあと思います。
そして、カップル成立に至る前に、余韻を残してお別れ、という。ある意味恋愛の一番おいしい部分を生かしてあります。

「あの女に惚れているのか?」「これからそれを知るところだ!」というやりとりもあります。

柚希玲音さんは主人公の「イサアク」。
クラブのボスでショースター。
演出も自分で行い、お店やチームのどっしりした重みを支えている人。
大黒柱として、あまり動かないけど、物事に広く視線を行き渡らせている人ですね。

ヒロイン・夢咲ねねさんは植民地出身の娘、「モニカ」です。
ダンスには天性の勘があり、イサアクに見初められます。
ダンスの途中から加わる場面があるのですが、リアル・アメコミのヒロインの手足の長さに、存在感が周囲から際立っていました。
黒塗りのお肌に汗が浮いているのを双眼鏡で見てしまった時にはかなり動揺してしまいました。しなやかについた筋肉が汗ばんでいるのを目にしてしまったら……!

途中秘密警察に痛めつけられたりするのですが、それでも凛とした強さがあります。

モニカの兄で、独立運動の戦士の「アンジェロ」は宙組から来られた十輝いりすさんです。
FNSでは把握はできなかったのですが、とっても背の高い兄ちゃんでした。
ねねさんと同じく黒塗りしていますから、さらに目立ちます。
彼も拷問を受けたりと厳しい扱いを受けますが、人間くさい熱い演技は霞むことがなかったです。


イサアクのパートナーである白華れみちゃん。
舞台人のプライドを持つ格好良い女でした。
モニカに厳しくする言葉も、芯が通っています。
今回の作品の「魂」を表現する役の一つのような気がします。
華奢だけど心に情熱と誇りを持つブロンドの美女。

れみちやんも今回で卒業です。
恋に燃えつきる女、素朴で愛らしい王宮のメイドさん、虚栄心もがめつさも強いけど、とびきり華やかで肉食系のマジシャン・クイーンとれみちゃんは本当にいろいろな顔を見せてくれました。
「二番手はおいしい」と宝塚ではよく言われますが、娘役もそれは同じ、と華奢な姿で体現されていましたね。娘役さんの希望の星ではなかったでしょうか?


秘密警察のホアキンは紅ゆずるさん。
国の政府がグズグズになっていることを肌で感じながらも、仕事として反乱者の摘発も行う男性です。紅さんの語るホアキン像は的確でした。
自分達は似ている、とイサアクに語りかける場面もあるのですが、案外そのとおりかもしれません。

部下を使いえげつない尋問を行いながらも、もっと頭上の権力者の動向には逆らえないという人。硬直化した国の手足となって働くことを、あえて単純化して解釈し任務を遂行する人です。

男役的な格好良さとは別の面の個性がある人でしたが、紅さん自身の演技力がプラスされて、強いキャラクターになっていたように思います。

すべてが終わった後は、案外「ルア・アズール」の常連になっているのかもしれませんね。


「ルア・アズール」のバーテン。ジョゼさんは涼紫央さん。

はい高砂はとよこさん贔屓ですので、これから語らせて頂きます。
ジョゼは内気そうで常におだやかに黙っていて、よほどのことがないと激高しない青年。

ジョゼというキャラクターの毛並みの良さ、バーテンダーとしてのプライド、無口ながら店全体を見渡しているところ、アンジェリータを特に気にかけている所。

好きなキャラクターです。「ダンサ・セレナータ」自体好みの系統の話で、特にジョゼみたいなキャラクターは惹かれることが多くて、萌え萌えでした。

台詞が少なくて、そこにただいる、という宝塚の男役スターさんにしては珍しいタイプの役柄です。

たぶん象徴の人なのだと思います。
キリスト教会のマリア像、お寺の観音像、楽屋の神棚みたいな、いつもそこにいて、自然とその人がいることで場が作られるような。


アンジェリータがショーの魂なら、ジョゼはクラブという場の魂。
2人が惹かれ結ばれるのもわかる気がします。

クラブ「ルア・アズール」に、正塚先生は宝塚歌劇の伝統を重ねているのではないかなと思いました。
ここの所観客層も変わった、動員数も削られてきているという話も聞きますが、お芝居の中のどんなに時勢が変わっても、クラブにはお客様が帰ってくる、という台詞には正塚先生の思いがこめられている気がします。

そうイサアクが一番愛しているのはお客様なのです!

時代は移り変われど、ショーは続くもの、ショーの演じられる小屋には人が集まるもの。
百年続いた宝塚に重ねてあるような気がしてなりませんでした。

そして、今回卒業されるとよこさんは、その宝塚の伝統の隣に立つ人なのだと思います。
正塚先生も、あえて宝塚の男役としては珍しいタイプの役を割り振ったのでは。
お芝居の最後、ジョゼのした事について語られた時、少し涙がでました。

ジョゼは、国が混乱したあとも国の、クラブのあった土地から家族と一緒にいた気がします。そういう深い余韻が流れていました。


とよこジョゼさんは綺麗でした。きっちりとつくった髪型とか(何でかわからないのですが、今回髪型がラフな方が多いです。時代的に男性はカッチリとした髪型を作るころだと思うのですが)身なりからジョゼの毛並みの良さが伝わるし、透明感がすごく美しい。

台詞がとても少ない役なので、想像する余地は大きいです。


しかし、ちょっと思ったのですが「架空の場所」を舞台にする物語は、どうしてもスケールが小さくなるなということです。「バルセロナ」の時動乱の時代そのものの骨太さと、それに翻弄されながら立ち向かおうとする人々の強さがあまりなかったような。
時代の変化の中で、人々が一気に駆け抜けていくのを目の前で見るような作品でした

また「オーシャンズ11」や「天使のはしご」で層の厚さを示していた星組にしては役柄が少なかったのは残念でした。みやさん&ともみんの抜けた穴、これほど大きいとは……。
まだまだ綺羅星のようなスターさんはいると多いますので、これからは彼らに光が当たってほしいです。

気を吐いていたのは一人ひとり名前もついていた兵士チーム。一人一人名前がついております。
十碧れいや君は卒業ですが、礼真琴ちゃん&ひろ香裕ちゃんは頑張っておりました。
ねねちゃんに絡むおいしい役割なものの、ちえさんにのされるは、紅さんにどやされるわで忙しい役割でした。とくにひろ香君は舞台を駆け回って元気一杯。
柚希さんコンサート「REON!」の休演なんて忘れてしまう威力でした。

ひろ香君の来年の台湾公演は、お祖母さまから親戚一同が集まりますから、皆さんに心配かけさせないように、どうか体は大切にね、と思わずにいられません。
新人公演は鶴美さんの役です、真ん中で踊ることも多いです。これからどんどん、光を増していくのでしょうね。


ショーの「cerebriry!」は現代的なショーでした。
だらっとした南国ホリディの夢咲ねねちゃんの衣装など、今の流行を取り入れていましたね。
紅さんのコメディセンスはかなり高いことに気づきました。今後に期待。
涼紫央さんのクラシックな風情が素敵でした。「ノスタルジア」、きっちり軍服なのにキラキラアクセサリーに、とよこさんのこだわりを感じました。
涼さんの場面は、優雅でしたね。
柚希さんとの絡みもあって、それはそれは嬉しかったです。
迷彩服とTシャツとピンクの似合うトップさんと、貴族的でつねに美学を持っているスターさん、ふだんはほっこりした仲良しさんでしたが、面白いコンビでした。
できたら、じっくり絡む作品を見てみたかったと思います。

クライマックスは柚希さんの「golden days」でした。
栄光の道を歩んでいたスター(柚希さん)がファム・ファタル(夢咲ねねさん)に出会い、堕落していくという筋が与えられたダンスで。
礼音さんのダンスは俊敏さ、雄雄しさ、孤独感が現れていました。
エネルギーの塊、でも手負いの獣の咆哮のように荒々しく。そしてねねさんのファム・ファタルは宝石のように硬質で美しい。
力強さと不安定さが共存しています。
多くの星組メンバーが移動されますが、柚希さんと夢咲さんはトップコンビとして一番大きい星として輝いています。ちえさん&ねねさんのコンビ、次回作は三部作という特殊な形態の公演で、新しい段階に移っていかれるような気がします。

今回のお芝居は、たぶん日を追うごとに深化していく作品の気がします。
隅々まで目を凝らしてみる甲斐はありそうです。
大きなお別れのある公演、千秋楽まで、舞台上のかたがたが元気で過ごされることを心から願います。
プロフィール

高砂 舟

Author:高砂 舟
twitterもやっています。
@takasago_fune

偏った本読みと太極拳が趣味です。低レベルですが腐です。
今はグレアム・グリーン継続中。星野道夫さん、宮澤賢治氏、藤沢周平氏をよく読んでいます。
植田正治氏の写真も大好物。

大人計画とグループ魂とっかかり中です。

宝塚は長く観ています。観劇回数は少なくとも、おばあさんになるまで細く長く見ていきたい所存。

twitter
カテゴリ
最新記事
月別アーカイブ
最新コメント
リンク
検索フォーム
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。