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「仮面の男/Royal Straight Frush!!」宝塚公演・感想①~イリュージョン三銃士

! 以下の感想は、宝塚歌劇雪組公演「仮面の男/Royal Straight Frush!!」の“宝塚公演”の感想です。
10月21日からの東京公演では大幅に演出が変わり、以下の感想で書いていた場面が無くなっていたり、新しい場面や会話が追加されているようです。あくまで宝塚のみの感想と見てくだされたら幸いです。 !



宝塚歌劇・雪組公演「仮面の男」を、千秋楽寸前に観劇しました。
アレクサンドル・デュマの新聞小説から生まれたご存知「三銃士」をベースに、ウォレス監督が製作した映画に題を採っています。
映画は地元の友人たちと見たことがありました。予想以上の面白さで、前々より宝塚で舞台化しないかと夢を見ていていた作品でした。音月桂さん率いる雪組で舞台化されると知った時はそれは嬉しかったです。

華やかで厚みのある衣装に美しいロケーション、心休まる暇のないどんでんがえしのドラマ。
美男子で闊達だけれど、冷酷なルイ王。
その弟のフィリップの心の純真さと&愛と名誉に生きる四銃士たちの心意気。

宝塚の美学にもぴたりと嵌っちゃうのではないかなあと期待していました。
そして昔、雪組には「バッカスと呼ばれた男」というのがあってですね・・・・・・わりと好きだったんですよ。
当時のふくらみにふくらんでいた雪組スター層一人一人にちゃんと光を当てた、愉快痛快なフランス時代劇でした。
音月桂ちゃんはどんな役だったのでしょうか。新人公演では安蘭けいさんの大盗賊マンドラン役だった気がします。
そこでルイ役だと、あとあと話題になったのかもしれませんね。
山科愛ちゃんのちいちゃいルイ王も可愛かったです。



しかし、このお芝居幕が上がると賛否両論の渦。
しかも批評以前の「なんだこれは??」という戸惑い交じりの声が多かったです。
自分、最近期待感が強い作品に限ってはじまったら評価が分かれることが多かったのでちょっと落ち込みました。しかし、実際に見なけれぱ、と気を取り直して観劇日を待っておりました。

「仮面の男」、確かにインパクトは大きかったです・・・・・・ショーとお芝居が融合したような舞台はこれまで見たことがない斬新さでしたし、幻想画を思わせる美術も美しく、なんといっても、生徒さんは輝いていました。


しかし。終幕後は頭を捻ってしまいました。
途中で白目をむいて舞台を見れない場面があったというのも初めてです。
悩むあまり、幕間にモスコーミュールを空けてしまったのも初めてです。


一言でいえば、別ジャンルのお芝居を見ているような印象がしました。
歴史説明コーナーとか、鞭打ち拷問の牢獄場面とか……男女で年齢層の広い俳優さんたちがコミカルに演じられるとしたら普通に受け入れたのかもしれないのですが、タカラジェンヌさん&ご存知三銃士ということで不適合感が起きています。
そして、ひたすら時間を取っています。

ページェントの場面とか、色使いも淡く、流れる曲も美しかったのですが、バルーンみたいな衣装は娘役さんのメイクを生かす方向には行っていないような。
また、時々舞台上に姿を出す黒子さん。生徒さんが演じているとなると、せめて顔を出して欲しいなあと思いました。
歴史紹介のシーンで、楽屋落ちみたいなってしまったルイ13世役の子とか、ちょこちょこと気になる場面がありました。

他にも海外ミュージカルの楽曲を堂々と模倣して飲み屋で大暴れとか、悪さしたのは三銃士なのにうやむやになっちゃう所とか。
囚われたルイの前で三銃士が飲んだり騒いだりとか、フィリップを庇ったコンスタンスに何度も剣が振り下ろされてしまうところとか、引き続きルイの収容を受け入れるサンマールとか。細かい矛盾が気になって仕方ありませんでした。

「そういう所に目を生かさず、舞台そのものを楽しめ」という見方もあるにはあるのですが、全体に不適合感があると、一つ一つの躓きがとても大きく感じてしまうのです。

確かに役柄は多いです。下級生さんが光を当てられる場面も多い。
でも、「宝塚の生徒さん」または「ルイの治世下のパリで生きる人間」ではなく、脚本家さんの表現したい要素に生徒さんを当てはめているような印象を受けました。

ですが終幕に向かって勢いづいていき、大階段での剣戟はハラハラし、雪組スターの三銃士達が剣を合わせて「一人は皆のために」とキメ台詞を言う所はわくわくしました。三銃士って不思議なさわやかさがあるのですよね。


「これは○○ではない」、既に人気が確立されているジャンルでは、ファンがこんな言葉で新しい取り組みに対し批判することがよくありますね。最近のネット用語で「終わコン」という言葉がありますが、宝塚も三銃士も「終わコン」のないジャンルです。
それは「これは○○ではない」という批判を受けながらも心臓部を守りながら変化していったからでしょうか。
どんなにその時愛情を持たれようとも、古いスタイルを維持していくことは難しいです。

「宝塚らしさ」って何だ?とこういう時思ってしまいます。

映画の「仮面の男」も原作&歴史改変激しかったです。ハリウッド風の派手な味付けもされています。ですが、三銃士に対するリスペクト、彼らを格好良く描く!という思いは濃く伝わってきました。不思議ですが、「三銃士」のパスティッシュものはそういう熱を感じる事が多いです。


宝塚はほんのりいかがわしさも含んでいる世界で、児玉先生はそのネガティブ面にあえて目を向けて活かそうとしているのではいかなあと少し思いました。
(良家の子女を、教育形態の中で、異性装させて歌い踊らせる世界^^;ちなみに西洋諸国では「全員独身なのが強圧的!」と批判的に見られたりもするそうです。)

「仮面の男」宝塚バージョンは確かに魔法の世界の扉を開けたような雰囲気がありました。
ほかの方にはない美的感覚を持っている方なのではないでしょうか。児玉先生独自のセンスや、海外から学ばれたもの、宝塚の土壌が溶け合い、新しい作品群が作られていくのはこれからの気がします。

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プロフィール

高砂 舟

Author:高砂 舟
twitterもやっています。
@takasago_fune

偏った本読みと太極拳が趣味です。低レベルですが腐です。
今はグレアム・グリーン継続中。星野道夫さん、宮澤賢治氏、藤沢周平氏をよく読んでいます。
植田正治氏の写真も大好物。

大人計画とグループ魂とっかかり中です。

宝塚は長く観ています。観劇回数は少なくとも、おばあさんになるまで細く長く見ていきたい所存。

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