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(追憶書き)映画「弥勒」神戸KIITO FIlm Orchestra & spacial art installation ver.

八月十日、神戸市にて開催された林海象監督の映画「弥勒」のイベントに行ってきました。
京都造形大学の学生さんと、教授を務める林監督の共同作業によつて製作された映画です。原作は稲垣足穂の「弥勒」。
この映画は通常の映画のようにBGMが収録されたものと、無音で収録され、映画館にて生オーケストラの演奏と共に鑑賞するもの、二つのフィルムがあります。

今回は生オーケストラバージョンでした。もちろん指揮者は音楽監督の渡邊祟さん。

会場のKIITOは、元は海外に輸出する生糸の検査場でした。
歴史のある場所です大変広大な建造物で、そのホール全体が会場でした。

主演俳優・永瀬正敏さん撮影の写真のもとには花が飾られ、薄暗い会場に入ると、真ん中には映画中に出てくる「ファルマン三型 複葉機」の原寸大の模型が。
その周辺に、画家のはまぐちさくらこさんのライブドローイング、映像作家の東海林毅さんによる、足穂作品の言葉から創り出したCGタイポグラフィー作が公開されていました。
「弥勒」の一映画のもとに、多くのアーティストさんが集っていました。

永瀬さん写真の前に飾られた花


ゲスト出演は京都で活躍されるパフォーマンス・グループ「GEAR」の皆さま。
映画のオープニングに誘導してくれました。
心を持つ人形と、ロボットの交流。人形によって特殊な力に目覚めたロボットたちは、マイムにマジックを披露してくれます。自分たちでできたことに驚きながらの披露は可愛かった。

山田章博さんのイラストが好きで、GEARのアクトはいつか見てみたいと思っていたのです。「弥勒」が夢をかなえてくれました。

GEARのメンバーが誘うと、複葉機に「弥勒」の少年たちが現れます。

「弥勒」は、稲垣足穂の投影でもある、主人公江美留の少年時代と青年時代、二章に分かれています。
少年時代の江美留と友人達を演じるのは、学生さんからオーディションした女優さん達です。透明感があり、初々しく凛々しい少年たちでした。

そして青年時代の江美留を演じられる永瀬正敏さんもおいでになっていました。
お忙しい間を縫い、会場の設営に長い時間携わっておられたようです。
映画の終了後は、映像作家の須永秀明さんのアート・フィルムが公開されました。
少年役を演じられていた女優さんが、今度は「女」の様々な貌を演じています。
白が基調の画面で、静かな音楽の流れ中で声なく踊り、泣き、笑う女達。
神戸公演だけの上映だとしたら勿体ない、綺麗な作品でした。
まだ役者さんのピュアな存在感があるからこその美しさだと思います。
時折映し出される永瀬さんの皺の深い男の貌との対照が強く印象的でした。
いつかDVDで拝見したいです。


「弥勒」の叶えてくれた夢がもう一つあります。
私は永瀬正敏さんのファンです。もう四年になりますが、実際に同じ場にいられたのは今回が初めてです。関西は映画の撮影にたびたび来られていたのですが、イベントとして表に出てこられることはあまりありませんでした。

今回はサイン会まであり、永瀬さん、監督をはじめ、出演者様から頂きました。
永瀬正敏さん。
丁寧な物言いをされる、穏やかな方でした。
白い軽そうな素材のロングコートに、同色のシャツ。
差し色としてターコイズブルーのジャケット。大変にセンスの良い方なんだ……と実感しました。夏らしくて爽やか。でも「弥勒」の世界とどこか重なるような雰囲気があり。そして華奢!

サインを書く時も、とても丁寧に対応してくださりました。
サイン頂いて良いですが、とお願いすると「こちらこそ、いいですよ」と快くオーケーてして下さりました!どこから来たのかと言うととかなり驚かれていた感じでした(汗)

私は地方の一ファンにしかすぎないですが、永瀬さんはただでさえ多くの人に会い、多忙なさなかだというのに、真摯に向かい合って下さいました。
握手させて頂いたのですが、やわらかで温かな、でも手を使い仕事する人の手の印象を受けました。

今まで、映像か写真類でしか永瀬さんに触れることが無く、どこかスクリーンの向こうの世界に住む人、という印象がありました。8月でようやく、同じ世界の人なんだなあと実感が沸きました。

永瀬さんファンの素敵な皆さまとも、Fbやtwitterでお世話になっていたのですが、今回はじめてお会いすることができました。前日も、今回はお会いできない方からも、メールでサインの貰い方などアドバイスも頂けて!本当に勿体なく嬉しかったです。

次に永瀬さんが出演されるような催しに出る時はもう少し外見とも精神とも磨いていきたいと思います。

あまりにすべてが幸せな日で、その後日常に記憶が埋もれてしまうのが惜しくて、帰ってきた後は一日寝ていました。その後しばらく時間が経って、日常に記憶が薄まってしまうのが辛くて、ここに記録しておきます。

今月21日には、青森県黒石市「津軽伝承工芸館」で生オーケストラバージョンの公開があります。何と野外上映です。もちろん林監督や、永瀬さんをはじめとする役者さんも登場されます。
更に新しい演出での女優さん達のお芝居、オリジナルの映像作品の公開もあるようです。
青森パーションオリジナルの最新の音響を設計されているとか・・・・・・。贅沢な催しになりそうですね!

北の地の方、美しい夢を見たい方、週末には青森に足を向けられてみてはいかがでしょうか。

最後になりますが、設営に携わられた京都造形大学の学生さんは、大きな創造力を発揮されていました。
創り出す側だけではなくて、チケット購入の時でも大変お世話になりました。
学術の傍ら、一つ映画製作やイベント主催に携わられるのは、並大抵の底力ではない気がします。
ブログでも書いたビブリオバトルの時のように、創造力、伝達力を兼ね備えた人々に感じます。
今後も、学生さんや卒業生さんの携わった作品に触れられるのを楽しみにしています。

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プロフィール

高砂 舟

Author:高砂 舟
twitterもやっています。
@takasago_fune

偏った本読みと太極拳が趣味です。低レベルですが腐です。
今はグレアム・グリーン継続中。星野道夫さん、宮澤賢治氏、藤沢周平氏をよく読んでいます。
植田正治氏の写真も大好物。

大人計画とグループ魂とっかかり中です。

宝塚は長く観ています。観劇回数は少なくとも、おばあさんになるまで細く長く見ていきたい所存。

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