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汐風幸さんのこと

 いつかブログかサイト作ったら、語りたいと思っていた話です。

 長いですのでクリックで開閉お願いいたします!

 十年くらい前、宝塚歌劇の男役さんの応援をしていました。
 芸名は「汐風幸」さんといいます。愛称は幸ちゃん。

 恥ずかしながら今でも「世界一の男役」です。
 
 芝居達者と呼ばれていました。
 お芝居は、やや癖があるけど、さらりとしてそれがまた心地よい感触を産んでいました。
 重さに変わるぎりぎりの所で、さっと軽い仕草に切り替えることができる。
 洒脱で洒落者の印象。
 梨園のお嬢様で、ゆったりと育てられた故の品のよさも感じていました。

 声がすごく良かったですね。まろやかなのだけど、ハキハキとして、耳に心地よかったです。

 一言で表現すると「涼しい人」だったように思います。

 それでいて泥にまみれるような役でも徹底的にこなし、でも、どこか本当には穢れていないピュアな部分も醸せる人でした。「銀ちゃんの恋」のヤスは完璧なDV男、「心中・忠兵衛さまは身請けされたと喜ぶ女郎相手に「かわいそうに……」と言い放つ男とダメンズ確立も多かったのですが、愛すべき面はしっかり出されていたかな。


 当時の雪組は轟悠さんがトップに、重厚な演技を得意としていました。
 二番手は香寿たつきさん、その下に幸ちゃんという組は渋すぎた。
 正直リアル男性としてみると明らかに30代後半の面々でした。
 後には朝海ひかるさんや安蘭けいさん、音月桂ちゃんとトップになる人が続いています。
 他の組もそうだったと思うのですが、この時代は百花繚乱でした。
「凱旋門」はこの雪組でなけれぱ生み出されなかったと思います。


 ファンクラブの皆様にも大変お世話になりました。
 実は幸さん総体的にあんまりファンの数は多くない人だったのですが、それでも、ほんとに色々な人がいました。
 働く人、主婦さん、学生さん、親子で参加されている方、色々。
 でもなんかのほほんとしてましたね。幸ちゃんの気質かな。
 現地集合・現地解散で組総見(ファンクラブのメンバーが揃って観劇)以外はオフ会みたいなのも無し。
 福岡とか名古屋にまで行ったのですが、観光した記憶がありません。
 でも、福岡はとても良い街でした。博多座で見た「凱旋門/パッサージュ」が今のところ、最高の観劇の記憶です。博多がパリになっていましたよ。


 宝塚というのは、夢と現実のバランスの取り方が上手い世界で、生徒さんとは皆会いたければ会いにいけるし、お茶会で触れ合うこともできる。それでいて、どんなに下級生さんでも、ファンの前では夢の世界の王子様やお姫様として振舞う。ファンと生徒さんの間には、節度と敬意を保った距離がある。100年近くファンが培ってきた文化がありました。
 幸ちゃんは「手紙を読む間は私を独り占めできるんですよ!?」と言われてましたね~(笑)


 ファン暦はじめの頃、「二番手・三番手をいっしょこたに新専科という組織に纏める」という大改革がありました。三番手以下に、現在までの各トップさんが揃っていて止むを得ない処置だった気もします。
 どれ位、生徒さんたちは苦しんだかと思います。
 結局、新専科に行かれた生徒さんのうち、半分がトップになり、その半分は退団の道を選ばれました。
 幸ちゃんも二番手でストップして退団でした。でも、それぞれの生徒さんらしい見送られ方をしたと思います。

 「卒業」の日で生徒さんとしての歴史が、ファン同士の交流が終了になります。
 今はどうか分かりませんが、卒業となると、生徒さんの同期生さんが揃って、退団の日まで手助けなどを行うと聞きました。
 ファンも宝塚公演、お茶会、楽、お稽古終わりと東京公演さよならショー、と段階を追って、見送る心の準備をしていきます。

 退団公演は植田景子先生の月組「シニョール ドン・ファン」。衣装にコシノヒロコさんが関わり、綺麗な舞台になっていました。萌えダンスはあるは背中の演技があるわ、ここ数年内ないくらい男役を決めた幸ちゃんでした。

 その日はむしろ同時にに卒業を決めた中堅の男役さんの姿が印象に残りました。その場にいる人々全てから拍手を受け、ファンの人が涙を浮かべていのが今でも目に残っています。お元気にされているかな~。


 そんなわけで普通に見送った積もりなのですが、後から響きました。
 どんどん新しいものに嵌っていっても、どこか儚さを感じるようになっていました。
 一種の無常観というか、どれだけ濃密な時間を過ごしても、扉か閉じられるとあっという間に薄れてしまう。
 しばらくこれはいつまで好きでいられるのだろう?いつまでこの人はこの輝きを持っていられるのだろう?という疑問を忘れることはできなかったです。

 でも、今でもこうして宝塚の記憶が鮮やかに残り、思い出すと心に温かな感触が戻ってくるように、何かに燃えて突っ走った記憶が心で光っているのなら、それで良いかなと今は思います。


 男役としては小柄で、和の美少年の外見。
 涼しく凛と見えても、本当は人一倍苦労も努力もしていたのではないかと思います。
 くしの分け目や襟元の数ミリのずれ、気障りにも拘り、オフの姿にもファンを心配させることなく、常に鷹揚とされていた幸ちゃん。
 あんまり泣かない人が、袴姿で東京大劇場の真ん中に立たれた時、
 「行くのは寂しい」という言葉とともに、涙を落としました。

 ―そういえるのは、幸ちゃんの勝利だったと思うのです。

  宝塚のファンになることで学んだことはたくさんありました。
  舞台上でもオフでも自分を磨いている生徒さんを見ると、頑張らなければと今でも思います。

 とはいえ、ミリちゃんのラブラブコンビを見たかったなあ、とかグランドホテルの再演をオットー=幸ちゃん&男爵=おっちょんで(うちの王子)!と今でも未練たらたらなわけです。

 幸ちゃんが卒業してから、数年間は宝塚を見れませんでした。
 ひいきさんを幾つか見つけて、まんべんなく温かい目で長く見ていくほうが、宝塚の発展になると思います。
 一つどころに徹底的に入れ込む性格のために喜びもしんどさも目一杯味わいました。
 今後は呑気に見続けて行きたいと思っています。
 (でも、どこでマイ王子か姫に遭遇するのか分からないのが宝塚)
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プロフィール

高砂 舟

Author:高砂 舟
twitterもやっています。
@takasago_fune

偏った本読みと太極拳が趣味です。低レベルですが腐です。
今はグレアム・グリーン継続中。星野道夫さん、宮澤賢治氏、藤沢周平氏をよく読んでいます。
植田正治氏の写真も大好物。

大人計画とグループ魂とっかかり中です。

宝塚は長く観ています。観劇回数は少なくとも、おばあさんになるまで細く長く見ていきたい所存。

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