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「長い春の果てに/カノン」花組地方公演

5月一杯続く、宝塚歌劇花組の全国ツアー「長い春の果てに/カノン」。地元鳥取でも10年ぶりに公演がありましたのでさっそく観にいきました。
初演の月組も、前贔屓の汐風幸ちゃんも出演されていましたので、見たことがあります。
現代のパリの物語で、出てくるのも、刑事や犯罪者ではない、普通の街の生活者。
ドラマティックな宝塚芝居の中では異色でした。



更にここ数年は、海外ミュージカルの数が増え、生に死に波乱万丈な宝塚ドラマ。
ほのかに笑え、泣ける人間喜劇は本当に久しぶりです。


「長い春の果てに」は石田先生の脚本。
石田先生の現代西洋もの好きなんです。
どぎつい台詞使いとかややアナログの男女設定とか、モヤモヤする観客の方もいる先生ですが、西洋物はたぶん石田先生、新聞を読みながら適度に現代の時勢も取り入れて、テンポ良くお洒落。
「愛すべきお人よし」な男役さん、おてんばで力強い娘役。癖のある人物は多々あるけど悪人はいない内容に少し毒も利かせている。
「再会」をはじめ何度か再演されているのは、実は定番のシリーズなのではないかなと思ってしまっています。

花組さんは「ファントム」以来でした。
男役トップの蘭寿とむさんは、咲き誇っていらっしゃいましたね。
なんとも言えない匂いがあります。
凜と立ち、さっぱりとして美しい色合いながら香りの強い花のイメージ。
「歌劇」等のインタビューや、書き文字の美しさから、凄くクレバーな方だなと思っていました。しかし、このたびその香り立つ存在感にあてられてしまいました。
こういうトップさん初めてだよ!

力強さとかカリスマ性や華麗さよりも、それら全部含めた上での華やかさというか。
「立てば芍薬、あるけば牡丹」という言葉ぴったり。

82期の男役さんは香気があるなあ。
とむさんステファンは繊細な、無色の男性でした。
クロードに憎まれるのですが、本当に憎まれるのだろうなあ、と。
豊かで文化的な家庭や破格の両親の愛情をそのまま享受し、イノセントなまま育ったのだろうなと想像させられます。
そんな彼のはじめての挫折は、シモーヌを亡くしたことで、エヴァと出会った時はその苦悩ががまだ続いていたのでしょうね。

エヴァはステファンよりも幼いけれど、ステファンの過去をよく知っている。
彼の存在を、自分にとって価値ある人として大切に思っている。
二人が出会うことで、二人の現在と未来が一気に化学反応を起こしたように思います。

とむさんステファンはメガネのお医者様でした。
金髪にメガネ、よくあいます~!
小さい顔に白衣のスタイルが、さらなる美青年感を増していました。
十年の時間のあと、「青年めがね」から「大人めがね」になっているのもいい感じ。

ポロの場面も赤い衣装がスタイルが異様に良かったです。

蘭乃はなちゃんは妖精タイプですね。
華奢で清楚で、「娘役」というイメージにもっともぴったりなトップ娘役さんだけど、場面ごとに作る表情が全く違うのにびっくり。とむさんに翻弄されたり、導いたり仕掛けたり。
あの紅天女の出てくる演劇漫画の主人公ちゃんとはかくなる人なのかなと思いました。

エヴァは天真爛漫な女の子だけど、幼い頃に父親を亡くし、脳に病気も抱えています。

月組娘役トップの映美くららちゃんはのエヴァはむ元気一杯、小さい怪獣みたいでした。思い出話になるけどゆうひフローレンスとの怪獣対決は凄かったです…。ゆうひフロ、常に本気で〆ようとしてたし。

対してはなちゃんエヴァは、線が細く、明るく笑っていてもどこかかげりがあるような。
若いけど利発な子、という面も際立っていた気がします。

発症する場面は目を開いたままことんと意識を失っていて、かなり衝撃がありました。
はなちゃんエヴァには「死の匂い」が確かにあった気がする。

ステファンとフローレンスを結びつけるための作戦のあと、はなちゃんエヴァは本当に泣いていました。しかも、喉を鳴らす本当の嗚咽。
14歳の娘さんにとって身を引くという決断は、自分の命を揺るがすくらいの大きな決断なんですよね。

イノセントなお医者さんと、ほかの子より先に成長してしまった娘との出会いは、互いに支えあって、お互いを生かしました。
そして、その2本の木は1本の大樹となっていくのだろうなあ、と想像させる余地のある終わり方でした。


男役さんの演じていたナタリー&フローレンスが、全て娘役さんになっていました。
娘役さんの台詞として聞くと、ナタリーやフローレンスは、かなり言葉が強いです。
花組の女王・桜一花さんも最初苦労されているような感じでしたが、慈愛溢れる女医さんでした。アルノーも恋心を捨てられないだろう、という。

華耀きらりさんのフローレンスもフェミニンさが増して、「怒り」よりも「哀しみ」が前に出たような。

望海風斗さんのブリス。
「仕事も恋も無くしたという」男役の口からはあまり聞きたくないヨッパライ自虐芸には、申し訳ないけど笑えました。……(しかし、その直後、急転直下の客席での抱擁!)
でもかっこよいのですよね~。望海君のブリスって。魅力が一杯で、誰でも惚れるやろ!という感じ。

レッドのベリーショートのステファンママさんは存在感が果てしなかった。
パパさんのデートは鳥取砂丘だったそうです。ラクダに乗るとか。

目に見えないけど、カップルとなる2人には、最初は別方向を向いていても赤い糸がなんとなく見えるつくりとか、微笑ましくていいなあと思います。

ステファンのライバル・クロードの壮さんはなにかねえ……。鋭利な存在感が素晴らしいです。徹底的に堕落する役で、ステファンと最後の最後まで馴れ合わない役なのですが、たぶん、クロードのほうに心を寄せる人も少なくなかったのではないでしょうか。
とむさんステファンがやさしい役作りだったので、壮さんの鋭さがより際立ったなあ。
声の張りも、仕草も、彼女の積み重ねてきた男役さんの芸を感じました。


全体的に、上品で暖かい作品になっていた気がします。
微かに漂う「死」のにおいと。ヒューマニティーへの信頼と。
10年ぶりにキャストを変えてみましたが、やはりこの作品は好きです。

(ねたばれ)
実は月組公演の時は、ステファンがエヴァを治した後、旅に出るのが疑問だったのですよね。病院では、ナタリーやフローレンスを含めた暖かい輪ができているというのに。
わざわざ無医村まで行き仕事を始めて、十年も時を置くことはないのではないかと思っていたのです。第一エヴァの気持ちはどうなるんだ、と。
でも、花組でなんとなくわかった気がします。
彼にとって、一度実家から離れて、なすべきことをする時間は絶対に必要だったのだなあ、と。それは、エヴァちゃんがピア二ストとして研鑽を積むのと同じ時間の重ね方だったのではと思います。距離は離れていても、二人はずっと心はつながっていたのでしょうね。


ショー「カノン」は、題名からクラシカルでゆったりとしたショーかと思いきや。
ダンス・ダンスの激しいショーでした。合間に美しい娘役さんたちが舞っておられます。

ダンサー・蘭寿とむさんのためのショーですが、蘭乃はなちゃんもこうKAZUMI先生は鬼やとまでも思ってしまうダンスでもとむさんに付いていっている!

花娘さん、皆様美しく、上品です。
群舞もしなやかで、ドレスの裾の捌きも乱れがない。
花組はクラシカルで特別な組なんですね。

月央和沙さんなど、汗流しての熱演でした。目立ちます・・。
望海海斗さんは眉間の皺がシャープで格好良い!

桜帆ゆかりちゃんは満場で拍手でした。
まだまだ下級生でしたが、ふんわりと、でも堂々と拍手に返事をされていましたよ。


最後に私事ですが、今回はもう地方公演でもない限りは望めないような良席でした。
生徒さんが横を通る通る!とむさんは大変に良い香りがしました!顔ちっちゃい!
壮さん、目の輝きが凄まじい!激しいダンスでも、揺るぎの無い、電光のよう眼差しです。
そういえば、視線は常にはるか先に向けられているのです。

宝塚に興味はあるけど、劇場は敷居が低くて見に行きづらい、という方。
宝塚大劇場では3500円から見ることができます。2000人はいる劇場ですので、直前でも、劇場に行けばチケットは手に入りますよ。
遠いのではないか、と気になる方は大丈夫、生徒さんたちはいつも一番遠い席に向かって、視線を向けていてくれます。

中詰めでのとむさん、「鳥取和牛おいしかったぜー!」と叫んでいました。
いや、前日は広島県福山市での公演で鳥取入り。広島と鳥取って、バスでも五、六時間掛かるのです。四月末の千葉から、福岡、山口…と二日に一度の割合で、あんな激しい公演をされて。でも、いきなりお肉!?
タカラジェンヌの元気さにたまげました。
凄まじい運動量の公演だというのに、いつも彼女たちは本心からの笑顔を、客席に注がれていました。

客席は知事もいました。
ところどころで笑いも起こって、劇場全体が楽しんでいましたよ。

最後に。そしてはなちゃん一本釣り!!!!!の記憶は、私の宝塚暦の最高の部類の思い出として、心に残していきたいです。ぴちぴち。


このはなさくや


hanaikada

山陰の地方都市でも桜が満開になりました。

今年の冬は本当に長かったです。しかも、雪が多い時は逆に緩むはずが、ひんやりと冷たい空気が始終続いた冬でした。
震災以降季節の感じがかわった気がします?



桜といえば、私は熊井啓監督の映画の「本覚坊遺文」の場面の一つを思い出します。
(……といっても、かなりうろおぼえです)
三船敏郎さん演じる千利休が、太閤秀吉から死を賜り、腹を召します。
咲き誇る桜の中で。三船さんの深い眼差しが心に残ります。
狭い空間で、奥田瑛二さんの「本覚坊」が追憶とともに淡々と、利休の交わりが語り継いでいく。
どちらかというと物静かで、静かで重い光源の中での映画だったのですが、利休の賜死の場面はぱっと開けて、とても美しかったのです。



四月六日に、宝塚歌劇団の男役の涼紫央さんが卒業を発表されました。
映画の印象もあり、四月は別れの季節です。
今思い出したのか、前の贔屓の汐風幸さんも今頃発表になりました。


宝塚歌劇団は、建前上では学校で、いつかはそこに在籍する演じ手さんは生徒と呼ばれ、殆どの人はいつかは卒業するものということになっています。
しかし、男役10年と呼ばれ、演じ手として成熟するのはとても長い時間がかかります。
娘役さんはもう少し時間が流れるのが早いです。
一人の女性が成人し、社会に出、家庭や仕事を持つ間、生徒さんとして演じ続けるわけです。

涼紫央さんは※研17、一人の女の子が誕生して、宝塚の生徒を志望するまでかかる時間です。
入団前の少女とよこさんは、元々カメラを持って劇場に通っていたほどの宝塚ファンだったようですね。心に男役の理想像も持っておられたそうです。


最初とよこさん知ったのは汐風幸さんが出演した「花の業平」東京/名古屋公演でした。
新人公演では幸さんの役を演じていました。お2人ともとてもよい雰囲気だったなあと思い出します。
下級生とよこさんは素朴で暖かい印象を受けていました。


そのあと10数年経って、友人宅のスカステで金髪ベリーショート、白いシャツのとよこさん見た時は墜天使サリエルだー(ゴメンでもサリエル様は愛し愛されるモテ男です)と叫びました。

ルーア神父は、もともと好きな役だったのですが、とよこ神父は無邪気で愛らしくて!嵌ってしまいました。
女役が美しいらしいという噂を耳にしたのですが、まだ拝見していません。和物に隠れスキルありと見ました。
しばらく追いかけていくうちに、根本の温かさや純粋さは変わってないのだなあと知り、さらに好きになりました。
外見は端正で貴族的な人なのに、飾り気のない所はそのままなんですね。



ルーア神父も人類への応援歌の「JAMP!」を歌った可愛いラスティも、不器用で真面目なダーシーも、いただいた録画DVDでしか拝見していないのですが、聡明すぎるベンヴォーリオさんも短い観劇歴ではありますが、底に人間愛を感じさせる人が多かったなと思います。
とよこさんの中のピュアな所が、役柄の個性を引き出したのかもしれません。

「天使のはしご」も、とても愛情深い作品でした。
家族愛、姉妹愛、男女の愛、さまざまな色合いがありましたよ。
私はオンザとよこさんセンターで観劇してしまいました。よい思い出です。

17年過ごした後のとよこさんの決意、とても大きいものだったと思います。
私はその決意を尊重したいです。


私は、卒業後の宝塚生徒さんが、様々な第二の人生を歩まれるのを見るのが好きでして、舞台に立ち続ける人、家庭人となられて母親業を勤められる人、別の職業に邁進する人、と様々でした。
スポットライトの偏りかもしれないのですが、同じように子供の頃からプロを目指していたスポーツ選手の人たちが、引退後苦労されるのをよくニュースで見聞きすると、宝塚の生徒さんの強さを思ったことがあります。
それは、劇団やファンの方も含めて、拍手と敬意を持って送りだすからだと思います。一度見送った経験から言うと、一人の生徒さんの卒業までは、大小さまざまなイベントがこなされていきます。
その中で、生徒さんもファンも周りの人も、心の準備をしていくのでしょうね。


現在応援している右の人々どなたでもそうなのですが、私は本当に緩いファンで、長らく応援されて貢献してきた方に比べれば伝えられることは数少ないです。
最後まで拍手を注ぎたい位しか立派なことは言えません。
これから8月までの日々、とよこさんの毎日「幸い」で一杯であることを、願うばかりです。
そして一つの終わりは、旅立ちの時であるようにと。花咲く季節の始まりに思います。



※「研」・・・タカラジェンヌさんはは研究科の生徒扱になっていて、「研」とは学年と同じ意味です。研3とは入団後3年ということです。

「オーシャンズ11」宝塚公演・感想②~JUMP!

贔屓の涼紫央さまの演じるラスティ・ライアンです。
最初「ブラピはちえさんやろ……」思ってました。しかし、オリジナルの性格とは少し異なるキャラを作り上げられていました。
可愛い!可愛い!天使!
金髪ベリーショートがよく似合う!
洒落者でお茶目でブラピと違ってけんかに弱い(笑)
お衣装に遊びが入っていて、見ていて楽しい。緑シャツとか、ベージュとゴールドの合間の上下とか、雑誌のモデルさんみたいです。
トレンチコートは裾捌きとか渋いし!
とよこさんも楽しそうに演じられていました。ジョンソン先生は男役をかなぐり捨てた名演技でした。私は乱れ髪の鬘位だったのですが、「ブラピです★」と禿ヅラで登場もされたりしたらしい。…弾けてましたが、この時点ですでに恐らくマヤさんの階段降りに続く万雷の拍手を浴びていた・・・・・・。

やたらめったら前向きで軽やかな兄ちゃんなのですが、決してまっさらな人間ではないのが「JUMP」歌詞で分かります。山分けしたホテルのお金は、傾いたエル・チュクロにプレゼントとか。いい男です。危ない橋を渡るときには、ちゃんと一線を引いているところも実は大人ですし。

とよこさん見ていて好きだなあと思うのは、笑顔がきれいで、いつも何かしら楽しそうにされている所なのですが、ラスティはとよこさんの個性とぴったりあっていたような。
ポーラやダニーに愛されて、仕事も大成功してほしいなあと思います。

純粋に「楽しい」と思える作品でした。
星組の皆も輝いて、舞台上の豪奢な世界に夢を見せるという……一昔の映画とか、ミュージカルが担っていた役割だと思います。胸を張って、「これが夢の世界」と伝えているような。生の舞台な分、一つ一つに職人さんや演出家さんや生徒さんの姿が立ち上がって見えます。夢の世界といっても、そこに血肉が通っているというのは、見る側にも「眠りながら見る夢」ではなくて、ひと時現実世界の中で生きる傍らにある、熱量を持った夢ではないでしょうか。
星組は来年、台湾公演の大役があります。トップのちえさんを初め、星組のメンバーが皆元気で、大きく輝かれていかれるよう願います。

私は3月のとよこさん主演公演、「天使のはしご」ですね^^
ジェーン・オースティン原作「高慢と偏見」より、英国では某7番目の諜報員さんや諮問探偵よりも乙女に愛された弁護士を演じられます。もうお稽古中ですね。英真なおき組長ほか、多くのスターさんの星組最後の作品でもあります。
楽しみです。輝けとよこさん!

「オーシャンズ11」宝塚公演・感想①~人はだれも夢みる

先年に宝塚歌劇星組公演「オーシャンズ11」を観劇しました。
すでに千秋楽を迎えられました。星組の皆様、お疲れ様でした!
長く長く観劇日から離れてしまいましたが、思い出として携帯に残した記録を元に書いていきます。

本当に楽しかったです!
一回だけではなく、二度三度と見たかった公演でした。
私が見た回も、立見席が一杯でしたよ。

ぱっと見た印象では、華やかで明るく、適材適所で、ややシニカル。お色気あり。
イリュージョンシーンはドキドキ。生徒さんの隠された特技に驚かされます。
多分タカラヅカに慣れてない方でも楽しく見られるのではないかなと思います。
生徒さんも良い意味で肩の力が抜け、伸び伸びと楽しそうに演じられていました。

宝塚の生徒さんは、舞台上では男役、娘役の美を追求されているのですが、そんな生徒さんと舞台上のイリュージョンの相性も良く、……正直、ガジェットに拘るとはこういうことなんだよ~!と前の観劇の記憶を辿ってしまいました。

宝塚は大きい役には美味しい場面や台詞があるものの、それ以外は生徒さんの頑張りに掛かっている所があって、マンネリのよしあしだなあと思っていたのですが、「オーシャンズ11」は端々まで生かされてましたね。

今でも鮮やかに楽しいという記憶が残っています。

そして、彼らはどれだけカッコ良くても、お洒落でも。
世間の裏側で生きる奴らなのです。詐欺師、賭博師、ハッカー。
例えお気にいりの店に彼女がいても強奪計画を打ち明けない。
世界の裏と表の境界線がくっきり引かれています。
小池先生は、ちえさんの演技作りに「ルパン三世」を挙げたらしいのですが、確かにその通りです。
多分彼らの足元には暗い世界も広がっているだろう、とほんの少し想像させられました。
それゆえにテスに夢中になるダニーとか、携帯片手にへらへらしているラスティが可愛くてならないのです。

ダニー・オーシャン役の柚希 礼音さん/愛称ちえさん、ひたすら妻を愛する男。クールな策士でダンディ。派手に騒がず、どっしりと構えていました。
彼がもともと収監されたのは、歌手のテスを華やかに世に出すため。
離婚を申し渡されても諦めないのですが、押し付けがましくなく、テスに対して慈愛を感じる想いの表現でした。

最初は囚人服→早変わりで着崩したタキシード姿でダンス!
ぐっと心引き寄せられます。

ダニーの妻、テス役の夢咲ねねさん。/愛称ねねさんしっとりとした、純粋な女性です。堅物な所がちらちら出ている所、ダニーみたいな男性を惚れさせる魅力もあるような気がします。007カジロワのヴェスパちゃんも真面目秀才だったな……。

ショーシーンではスリット入りのドレスで美脚披露。なんというか……。眩しい……。
男性目線の色気も、品の良い形で匂わせているのですよね。


ダニーの相棒、悪さ仲間のラスティ・ライアンは涼紫央さん(愛称とよこさん)。
カワユス(後に叫ばせてください)


オーシャンズ11が財を狙う、ホテル王テリー・ベネディクトは紅ゆずるさん
/愛称さゆみさん
父親が賭博で失敗し、困窮したトラウマの借りを返す為に、事業にまい進する男でした。あくどい事して成り上がったものの、さゆみさんの学年も重ねてか、巨悪というより、神経質でまだまだ器はダニーに及ばない青年。本性の二面性の表現が見事でしたね。金の亡者で、でも破滅を狙われる程の冷血巨悪でもなく、現代のエグゼグで……と演じるには難しい人だったのではないでしょうか。でも、さゆみさんは愛すべき人を作り出していた気がします。私は昨年一度観たきりなのですが、さゆみさんの目力がぐっと増してきてセクシーになってきて、東京テリーは悪役を全うされたとか。


フランク・カットンは夢乃聖夏さん/愛称ともみんさん
人間くさくて、でも決める所は決める!というイケテルディーラーでした。私服もよく似合う。
明るくてとぼけた人物なのですが、カード使いは巧みなプロフェッショナル。
せり上がりでソロ、勝負師のフェロモンムンムンで格好良かった!
雪組に異動されますが、ともみんさんの真摯さは雪にも良く合うと思います。キムさんとの競演、本当に楽しみです。


ハッカー・リビングスト・デルは美弥ゆりかさん/愛称みやゆりさん)。
瞳が大きな、リカちゃん人形みたいな男役さんなのですが、今回はPCヲタな眼鏡青年です。ノートパソコン前にラップを歌う。実はこちらも難しい役なのですが(ヅカラップは、難関です……雪デパートメントストアを思い出す……)みやるりさんはキュートな役作りされていました。みやさんは新トップ・龍真咲さんが就任したばかりの月組へ。みやさんも一層輝かれますように!


バージルとタークのモロイ兄弟(如月蓮さん&天寿光希さん)
2人でキャッキャしていたものの、悪事ばれちゃった?という所のビビリ具合が可愛い。
デルとモロイ兄弟は若手組なので、華やかな場に行くのは初めてなのかな。正装が初々しかったです。


資金の出所と思いきやご自身も変装して大活躍のルーベン・ティシュコフ(美城れんさん)。
いけてるおじさまでしたね。今回素敵なおじさんが多い。
そして総踊りのときはガンガン踊られてます!


腕利きのマジシャンながら、ネタパレ裏ビデオに出演してしまったので追放の憂き目に遭ったバシャー・ター。(壱城あずささん)
映画では発破のスペシャリストだったのが、マジシャンとオリジナルキャラクターになっております。
この人もフェロモン系?大人で頼りになる兄貴分でした。
ダイアナとは何かあったのでしょうね。同業者の繋がりも感じました。


バシャーが身を寄せる中国雑技団のスター。イェン鶴美舞夕さん/愛称どいちゃん
「アイヤー」とか「デキタ☆」とか。カタコトしか喋れません。
運動能力に注目したバシャーにヘッドハントした形で入ったので、活かすのは卓越した運動能力のみ。何か毛色の違うエキゾチックな雰囲気を持っています。
中国内陸部から、家族達を養う為に雑技団に入り、海を渡った少年というイメージで勝手に萌えていたのですが、20代後半なんですね。アジアのお人は若い。
鶴美さん、バトントワリングの名手で、星組随一のアクションスターです。
金庫に潜入スタイルとか、瞳が大きい人なので、猫っぽくて可愛かった。


偉大な泥棒の父親を持ち、細々と列車すりで生きている青年ライナス・コールウェル。(真風涼帆さん)新人公演世代ですが、先輩と並んでオーラを放っているスターさんです。
でも今回は、誰もが知る父親の影で臆病になっている、ナイーブな青年の役作りでした。
映画では虎視眈々と活躍の機会を狙うライナスだったので、対照的でしたね。


ライナスの父親の元相棒、引退した詐欺師のソール。(未沙のえるさん/愛称マヤさん)
今は競馬場通いの年金暮らし。ライナスのパパとは違い、生き残った詐欺師として、それなりに成功も収めたけど、それなりにしょぼくれている。きっと一人きりの引退生活なのでしょうね。


専科在籍のマヤさんは今回で卒業です。
専科さんというのは演技巧者や、歌やダンスに秀でた方のポジションです。
組かかわりなく出演をされて、若手の生徒さんには難しい熟年の役などを演じられているのですが、本当に男性の俳優さんにしか見えない人とか、(一樹千尋さんはイタリア国籍だと思う)宝塚のプロフェッショナルの極みの方々です。
マヤさんはたくさん宝塚で名演技を残された方で、私は雪ノバの、可愛らしい熟女・シスター・マーマで知りました。
他にも「心中・恋の大和路」の実父、パーチェスターさん。舞台やDVDなどでとても良く目にして、正直、もう春には宝塚にいれないのは信じられません。……いつも軽妙で暖かなお芝居を魅せて頂いていました。
今回のおびえるライナスに励ましの言葉を掛けたり、ラインダンスに加わったり。
特にライナスにエールを送る場面は、星組の新進気鋭のスター、真風君との掛け合いで、実際の生徒さん同士と重なりましたよ。
小池先生本当に憎いわ。
フィナーレは大劇場一杯の拍手を浴びられ、私もウルウルしてしまいました。
宝塚の良さのひとつです。本当に。


ベネディクトの新ホテルの予定地に「林檎をかじった虫の後」のように居座るエル・チュクロの一家。おじいさんとシングルマザーの娘と孫娘の一家。

おじいさんリカルドは組長の英真なおきさん。
10年以上は星組組長を勤められています。
ソールはダニー達を「どうせ脛に傷持つ奴らだろ」と突っ込みしながらも、いつかは大金をあてるという夢を持ち、(ダニー達もそれをけしかけるものですから……)テリーの「ギャンブルで最初に勝たせる」作戦にすっかり嵌って監禁されたりするのが人間くさくていいですね。


娘そして母親のテレサは万里柚美さん。
娘のポーラにきつい一言を言いながら、父親を共に心配している。娘でもあり、母親でもある、そういう立場の女性を可愛らしさもこめて演じていましたね。


ラスティの彼女で、エル・チュクロの跡継ぎのポーラは音羽みのりさん。
ポーラは明るくてしっかり者。自らもショーの舞台に立ってお店を支えています。舞台化粧は赤いボブの桂に網タイツ。舞台化粧を落とした姿はポニーテールの女の子。
なんかねえ……ラスティが大好きなんですね。
「うわきしないでよw」という言葉が可愛くて。


ラスティと幸せになってほしいなあと思います。
肝っ玉妻になりそうですが^^
とよこさん主演の「天使のはしご」では大切な相手役ー!そのためか2人並ぶとラブラブ度が増していました。
赤いボブのショーガールの場面は、堂々センターでした。コケティッシュで大変可愛かった。

しかし、ダニーはテス、ラスティはポーラ。タイプが違う女の子を選んでいますが、どちらも自年齢よりはるかに若い子のようです。お互い「◎リコン」とからかいあってそうですね。(すみません)


テスのライバル、イリュージョン・クイーンのダイアナ(白華れみさん)
最近、娘役さんの強烈な悪役が多いかも。
わりとコミカルな役が多いので、そろそろ本格的な悪女を見たいかもしれません。
歌に、イリュージョンに、演技にと大活躍でした。前回は可憐なメイド娘さんだったのに……。堂々としてプライドにふさわしい実力を備えた女性でした。ベネディクトから資金を受け取るところ、したたかでしたね。


印象に強く残ったのは、礼真琴くんの「マイク」
カジノホテルのシンガーという設定で、歌って踊る。舞台の上にほぼずっと出ずっぱり。物凄い運動量!しかも歌声にパンチがあり、ダンスは切れが良く、星組のマイケル・ジャクソンと呼びたいくらいです。髪形も編み込みしていて、下級生ながら作りこんでいる役作りでした。新人公演でもライナス役をライナス役を任されたりと、期待株のスターさんなのでしょうね。



②に続きます。

「仮面の男/Royal Straight Frush!!」宝塚公演・感想①~イリュージョン三銃士

! 以下の感想は、宝塚歌劇雪組公演「仮面の男/Royal Straight Frush!!」の“宝塚公演”の感想です。
10月21日からの東京公演では大幅に演出が変わり、以下の感想で書いていた場面が無くなっていたり、新しい場面や会話が追加されているようです。あくまで宝塚のみの感想と見てくだされたら幸いです。 !



宝塚歌劇・雪組公演「仮面の男」を、千秋楽寸前に観劇しました。
アレクサンドル・デュマの新聞小説から生まれたご存知「三銃士」をベースに、ウォレス監督が製作した映画に題を採っています。
映画は地元の友人たちと見たことがありました。予想以上の面白さで、前々より宝塚で舞台化しないかと夢を見ていていた作品でした。音月桂さん率いる雪組で舞台化されると知った時はそれは嬉しかったです。

華やかで厚みのある衣装に美しいロケーション、心休まる暇のないどんでんがえしのドラマ。
美男子で闊達だけれど、冷酷なルイ王。
その弟のフィリップの心の純真さと&愛と名誉に生きる四銃士たちの心意気。

宝塚の美学にもぴたりと嵌っちゃうのではないかなあと期待していました。
そして昔、雪組には「バッカスと呼ばれた男」というのがあってですね・・・・・・わりと好きだったんですよ。
当時のふくらみにふくらんでいた雪組スター層一人一人にちゃんと光を当てた、愉快痛快なフランス時代劇でした。
音月桂ちゃんはどんな役だったのでしょうか。新人公演では安蘭けいさんの大盗賊マンドラン役だった気がします。
そこでルイ役だと、あとあと話題になったのかもしれませんね。
山科愛ちゃんのちいちゃいルイ王も可愛かったです。



しかし、このお芝居幕が上がると賛否両論の渦。
しかも批評以前の「なんだこれは??」という戸惑い交じりの声が多かったです。
自分、最近期待感が強い作品に限ってはじまったら評価が分かれることが多かったのでちょっと落ち込みました。しかし、実際に見なけれぱ、と気を取り直して観劇日を待っておりました。

「仮面の男」、確かにインパクトは大きかったです・・・・・・ショーとお芝居が融合したような舞台はこれまで見たことがない斬新さでしたし、幻想画を思わせる美術も美しく、なんといっても、生徒さんは輝いていました。


しかし。終幕後は頭を捻ってしまいました。
途中で白目をむいて舞台を見れない場面があったというのも初めてです。
悩むあまり、幕間にモスコーミュールを空けてしまったのも初めてです。


一言でいえば、別ジャンルのお芝居を見ているような印象がしました。
歴史説明コーナーとか、鞭打ち拷問の牢獄場面とか……男女で年齢層の広い俳優さんたちがコミカルに演じられるとしたら普通に受け入れたのかもしれないのですが、タカラジェンヌさん&ご存知三銃士ということで不適合感が起きています。
そして、ひたすら時間を取っています。

ページェントの場面とか、色使いも淡く、流れる曲も美しかったのですが、バルーンみたいな衣装は娘役さんのメイクを生かす方向には行っていないような。
また、時々舞台上に姿を出す黒子さん。生徒さんが演じているとなると、せめて顔を出して欲しいなあと思いました。
歴史紹介のシーンで、楽屋落ちみたいなってしまったルイ13世役の子とか、ちょこちょこと気になる場面がありました。

他にも海外ミュージカルの楽曲を堂々と模倣して飲み屋で大暴れとか、悪さしたのは三銃士なのにうやむやになっちゃう所とか。
囚われたルイの前で三銃士が飲んだり騒いだりとか、フィリップを庇ったコンスタンスに何度も剣が振り下ろされてしまうところとか、引き続きルイの収容を受け入れるサンマールとか。細かい矛盾が気になって仕方ありませんでした。

「そういう所に目を生かさず、舞台そのものを楽しめ」という見方もあるにはあるのですが、全体に不適合感があると、一つ一つの躓きがとても大きく感じてしまうのです。

確かに役柄は多いです。下級生さんが光を当てられる場面も多い。
でも、「宝塚の生徒さん」または「ルイの治世下のパリで生きる人間」ではなく、脚本家さんの表現したい要素に生徒さんを当てはめているような印象を受けました。

ですが終幕に向かって勢いづいていき、大階段での剣戟はハラハラし、雪組スターの三銃士達が剣を合わせて「一人は皆のために」とキメ台詞を言う所はわくわくしました。三銃士って不思議なさわやかさがあるのですよね。


「これは○○ではない」、既に人気が確立されているジャンルでは、ファンがこんな言葉で新しい取り組みに対し批判することがよくありますね。最近のネット用語で「終わコン」という言葉がありますが、宝塚も三銃士も「終わコン」のないジャンルです。
それは「これは○○ではない」という批判を受けながらも心臓部を守りながら変化していったからでしょうか。
どんなにその時愛情を持たれようとも、古いスタイルを維持していくことは難しいです。

「宝塚らしさ」って何だ?とこういう時思ってしまいます。

映画の「仮面の男」も原作&歴史改変激しかったです。ハリウッド風の派手な味付けもされています。ですが、三銃士に対するリスペクト、彼らを格好良く描く!という思いは濃く伝わってきました。不思議ですが、「三銃士」のパスティッシュものはそういう熱を感じる事が多いです。


宝塚はほんのりいかがわしさも含んでいる世界で、児玉先生はそのネガティブ面にあえて目を向けて活かそうとしているのではいかなあと少し思いました。
(良家の子女を、教育形態の中で、異性装させて歌い踊らせる世界^^;ちなみに西洋諸国では「全員独身なのが強圧的!」と批判的に見られたりもするそうです。)

「仮面の男」宝塚バージョンは確かに魔法の世界の扉を開けたような雰囲気がありました。
ほかの方にはない美的感覚を持っている方なのではないでしょうか。児玉先生独自のセンスや、海外から学ばれたもの、宝塚の土壌が溶け合い、新しい作品群が作られていくのはこれからの気がします。

プロフィール

高砂 舟

Author:高砂 舟
twitterもやっています。
@takasago_fune

偏った本読みと太極拳が趣味です。低レベルですが腐です。
今はグレアム・グリーン継続中。星野道夫さん、宮澤賢治氏、藤沢周平氏をよく読んでいます。
植田正治氏の写真も大好物。

大人計画とグループ魂とっかかり中です。

宝塚は長く観ています。観劇回数は少なくとも、おばあさんになるまで細く長く見ていきたい所存。

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